2015年09月10日

欧州訪問紀行 その3

 欧州調査の後半では、オーストリア・フォーアールベルグ州にて、3日間かけて「e5自治体」についてヒアリング調査を行いました。
 オーストリアは、もともと水力発電の多い地域ですが、さらに再生可能エネルギー普及と省エネを進め「エネルギー自立」を達成すべく取り組んでいます。これを進めるための手段の一つが「e5」認証制度。これは自治体の取組進捗度を数値化して認証するもので、取組の達成度が上がるほどeの数が増えていき、最高ランクがe5認証になります。参加自治体は、詳細な対策カタログを参考に取組を進め、達成度を向上させていきます。

 とりわけ印象的だったのは、この制度への参加が、地域の経済的発展及び魅力向上につながっているということ。

 例えば、ランゲエッグ村という人口1200人の村では、20年近くにもわたる取り組みのなかで、温水暖房用循環ポンプの更新、太陽熱温水器の設置、木質バイオマスボイラーの導入、公共交通利用促進、建築物の断熱改修など300にものぼるプロジェクトを実施してきました。
 もともと2時間に1本だったバスは30分に1本に増加し、多くの人の足として利用されています(田舎出身の私は、バス乗車率の高さを目の当たりにして目を丸くしました)。高齢化で担い手がおらず商店がなくなる中、中心部にスーパーを建設し、地域通貨を発行して、人々に村の中での買い物を呼びかけています。スーパーは、充分に黒字を達成しているとのことです。村全体の熱需要の86%が木質バイオマスで供給されており、地域外にでていく光熱費を地域内にとどめることに成功しています。こうした取り組みにより、地域は元気になり、ヨーロッパの低炭素自治体ランキング(ヨーロピアンエナジーアワード)で1位になって外部から評価されることで住民は自身を持ち、産業も活性化し、人口も徐々に増えているとのこと。
 村の中は、とても人口1200人の村とは思えないほどの活気があります。これはランゲエッグ村に限ったことではなく、刺激しあって取組を進めている近隣の村も同じです。

 こうした取り組みをサポートしているのが、「エネルギー研究所フォーアールベルグ」です。州政府や金融機関、商工会議所などが参加しながら運営されるこの非営利組織が、自治体の取組に「同伴」してサポートを行っています。

 低炭素地域づくりの中間支援組織で活動し、「ステキな低炭素型の京都」実現を目指す者として、非常に多くの刺激と具体的情報を得られる調査でした。

写真1 ランゲエッグ村の保育園 パッシブハウス基準(この寒い地域においても冬季暖房がほとんどいらないレベルの性能)で建てられています。

写真2 こちらもパッシブハウス基準の村のスーパー。村が建築し、民間に貸し出して運営しています。

(きはら)
写真1
150910fb.jpg
写真2
150910_2fb.jpg


posted by center at 18:00| Comment(0) | 自然エネルギー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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