とはいえ、エアコンをガンガンつかってさらなる温暖化を招いてしまっては、元も子もありません。
どうせ使うなら、かしこく使ってできるだけ消費電力を少なくしましょう。
「エアコンの効きが悪いなぁ」と感じておられる方も、ぜひ下をチェックしてみてください。
【室外機編】
■ 室外機を日陰にする、風通しを良くする
エアコンは、室内の熱を冷媒(フロン)にのっけて室外機に持っていき、
圧縮して高温にしたうえで風をあてて冷まし、室内で元の圧力に戻すことで、冷たさ・涼しさを生み出しています。
というわけで、室外機でいかに効率よく冷ますことができるかが省エネのポイント。
最悪の使い方は、熱い排熱をもう一回吸い込んでしまうこと。とにかく風通しを良くして、熱を逃しましょう。
室外機付近を(風通しを確保した上で)日陰にして涼しくするのもおすすめです。
■ 室外機の掃除をする
室外機は、後ろや横から空気を吸い込んで前に吐き出しています。
吸込口には熱交換用のフィンが付いているのですが、ここに蜘蛛の巣やほこり、猫の毛などが詰まっていませんか?
フィンにゴミがついていると風通しが悪くなり熱交換がしづらくなる(熱を冷ましにくくなる)ので効率が悪くなります。
確認して掃除をしましょう。ただし、熱交換フィンは、とてもとてもとてもとてもとてもやわらかく破損しやすいものなので、
丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に丁寧に ゴミをとりのぞいてあげましょう。
「ブラシでゴシゴシ」とかをやってしまうと、あっというまに曲がってしまいますのでお気をつけて。
■ 室外機付近に打ち水をする。
室外機の下のコンクリート、あるいは室外機裏の壁が熱を持っていると効率が落ちます。
打ち水をして、少しでも涼しい環境をつくりだしてあげましょう。室外機にキリを吹き付けて冷ますというダイレクトな方法もありますが、
水道水中の成分が付着したり錆びたりの原因になりかねないという指摘もあります。こちらは自己責任で。
ちなみに、エアコン室外機付近の空気の温度を35℃から30度に落としたら、
消費電力は40%以上削減されたという実験結果もあります(電力中央研究所調べ)。
【日射遮蔽編】
■ 窓の外で日射を防ぐ
比較的小さな窓であっても、そこから入ってくる日光は、電気ストーブ1台と同じくらいのエネルギーを持っています。
室内のカーテンで日射を防ぐこともできますが、この場合、カーテンが暑くなって熱が室内に放出されてしまいます。
すだれ、オーニング、グリーンカーテンなどで、窓の外で日射を遮りましょう。夏はまだまだ続きます!いまからでも遅くありません!
■ 壁も影にする
どうせなら、壁も影にしてみませんか。とくに西日があたる壁面は、たいへんな温度になります。よしずなどを使って、
窓だけではなく壁も隠してみましょう。
【室内機編】
■ 風量は「弱」にしない
「省エネのために」と風量を「弱」にしてしまう方がいらっしゃいますが、これは間違い。
風の量が少なくなると熱交換の効率が落ちてしまいます。風量は「自動」にしておいたほうが省エネになります。
■ コマメなON/OFFは逆効果
エアコンは、室温を設定温度に下げるまでがんばって運転するので、消費電力が大きくなります。
これに比して、その温度をキープするための消費電力は小さくてすみます。このため、こまめにとめると、かえって消費電力が大きくなります。電力中央研究所の実験では、「30分ごとに5分止める」運転よりも「連続運転」の方が30%も省エネでした。どれくらいの時間ならつけっぱなしのほうが良いかは、機器の性能や建物の断熱性能によりますが、30分程度の外出であれば、つけっぱなしのほうが良いと言えるでしょう。
■ 風向きは水平(あるいは自動)に
風は下の方に向けたくなります。しかし、冷たい空気は下の方にたまりますから、足元ばかりが冷えて天井付近は暑いままになりかねません。室内機の吸い込み温度が高いと、エアコンは「まだ暑いんだ、がんばらなきゃ!」と必要以上に冷やしてしまいかねません。風は水平に出して、部屋全体がふんわりと涼しくなるようにしましょう。最近のセンサー付きのかしこいエアコンであれば、お任せにしちゃったほうが省エネになるでしょう。
■ フィルター掃除はこまめに
フィルターが目詰まりしていると熱交換の効率が落ちます。掃除はこまめにしましょう。なお、フィルタ自動掃除機能がついているものは、この機能をオフにしないようにしましょう。お掃除にかかる消費電力はわずかで、充分に省エネ効果があると言われています。(ただし、自動を過信せず、時々はフィルターの状態を確認しましょう。私たちの身近にも、自動を信じていたらたっぷりとホコリが溜まっていたという人もいます)。
【その他】
■ 扇風機を併用しよう
気流があると涼しく感じます。扇風機を併用して緩やかな気流を生み出し、涼しく過ごしましょう。扇風機分の消費電力が増えるじゃないかと思われるかもしれませんが、涼しくなったことによってたとえ1℃でも室温を上げられれば省エネになります。