9月27日に、京都でウッドマイルズ研究会主催の「ウッドマイルズセミナー2010〜環境、品質、多面的な地域材認証基準づくりを目指して〜」が開催されました(当センター後援)。
毎年秋に京都で開催されることが恒例になりつつある本セミナーですが、今年はいよいよ「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されることもあり、国産材、特に各都道府県産の地域材を扱う事業者や行政担当者にとって関心の高い内容となりました(同法律の内容については10月発行の当センター機関誌「うぉーみんぐ」で特集しています)。
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セミナープログラム
【第1部】環境、品質、多面的な地域材認証基準づくりの取組事例報告
@ウッドマイルズ研究会「木材調達チェックブック」検討作成の取組〜検討作成状況、関連アンケート結果報告ほか
藤原敬氏/(社)全国木材組合連合会常務理事
滝口泰弘/ウッドマイルズ研究会事務局長
A京都府ウッドマイレージCO2認証制度、領域拡大の取組〜品質基準、供給体制、LCCO2ほか
柴田繁氏/京都府農林水産部林務課主査
渕上佑樹氏/京都府地球温暖化防止活動推進センター
B木材供給事業者の取組〜品質表示、バイオマス乾燥ほか
榎本崇秀氏/株式会社山長商店常務取締役
【第2部】取組事例報告を踏まえ、多面的な地域材認証基準のあり方を探る(意見交換会)
(ゲストパネラー)
古田裕三氏/京都府立大学大学院生命環境科学研究科環境科学専攻准教授
池渕雅和氏/林野庁林政部木材利用課長
鈴木千輝氏/国土交通省大臣官房官庁営繕部整備課長
+ 第T部報告者
(コーディネーター)
白石秀知氏/NPO 法人京都・森と住まい百年の会 事務局長
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京都では、木材の地産地消を促進するための制度として「ウッドマイレージCO2認証制度」という木材の環境認証制度を2003年から実施してきました。
京都の認証制度のこれまでのスタンスは、
・「品質」や「性能」、「価格」という消費者ニーズに直結する要素は、民間事業者自身が検討し解決べき課題
・行政やNPOなどがまずやることは、消費者ニーズには直結しないが未来の為に誰かが(誰もが)取り組まなければ行けない「環境」という要素を木材製品の付加価値として確立すること
というものでした。
が、近年の国産材(地域材)利用への関心の高まりを受けて、今年度から京都府産木材運営協議会では、京都府と連携して「品質・性能」と「環境」という要素を両立した地域材製品を市場に「安定供給」するための事業を展開しています。
京都は木材の「生産」と「消費」で言えば消費のほうが多い地域です。
そういった意味では地産地消には限界があり、他の地域(国内外含む)から木材製品がやってくることは当然のことなのですが、だからといって需要の全てを他の地域に頼ってしまっては、京都の森の手入れ不足はこれからもずっと解決されません。
京都の森林資源を適切に管理し、京都の森を豊かにするためにも「まずは京都で生産される製品をできるだけ使って、足りないものはよそから持ってこよう」という考え方にならないものかな、と思っています。
他地域から入ってくる木材を締め出すための地域材認証制度ではなく、地域の事業者が力を合わせて魅力的な製品を産み出していくための地域材認証制度として、これからも京都の認証制度を発展させていきたいと思います。

(ふちがみ)
posted by center at 22:34|
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